我が家にあいつがやってくる

お母さんからうちに電話が入る。

「ユウキ、ビールって買ったんだっけ？」
「(しばらく一緒にでかけてないんですが・・・)ちょっと待ってね。見てくる」

しばし保留にし、冷蔵庫をのぞく。
『淡麗』が4本ある。

「４本あるよ」
「・・・・？ビールだよ？」
「ビールでしょ？(発泡酒じゃだめなのかしら？)」
「・・・・・」
「・・・・・何？もう一回言って」
「ビル！」
「ビル？」
「ビル買ったの？」
「・・・(買えねーよ・・・)ビル・・・。」
イラついた感じのママん。恐縮するおいら。

「ウィル！！」
「ウィル？」
英語の助動詞？
未来形？
名詞だと「意志」だな(どうでもいいよ)

「ご、ごめん・・・もう一回言ってください」
「ウィルだってば！ゲーム機の！」



「それはWiiだーー！！」

てなわけで、あいつがとうとううちにやってくるんですよ。

つーか、もうあるんですよ。
私の部屋のクローゼットの天袋に隠してあるんですよ。

弟がサンタクロースに所望したプレゼントです。
私はまったく魅かれないゲーム機なんですけどね。
ほしいらしいんです。
ちなみに小学校６年生なんですが、まだ信じているのかしら？
来年あたり打ち切るか、と家族で相談してみる。
しかし、中学校２年生までサンタクロースからプレゼントをもらっていた私は、どうだ・・・(笑)

一昨日の夜に、12時近くになってもTVを見て起きている弟に
「あんた、まだ起きてるの？」
「だって眠くないんだもん」
「あのね、どうしてお姉ちゃんのところにはサンタさんが来なくなったか知ってる？」
「・・・・夜起きてるから？」
「そう！夜早く寝る人は、大人になってもサンタが来るんだよ。お母さんなんか大人になっても手袋プレゼントされてたんだから！」

ちなみにこれは本当にあった話で、まだ再婚する前だったけど、お母さんはいつも頑張っているからご褒美だ！と、思いましたねぇ、子供心に。
大人心で考えると、誰がやったのかわからなくていやですけど(笑)

母親と手袋については我が家にはもうひとつ逸話があって、
３年前の母の誕生日に、赤いベロアの手袋を父親がプレゼントしたんですね。手首のところにふわふわがついてて、キレイ系の。
しかしうちのおかあさんはいつもジーンズにカジュアルな格好しかしないのでもらって途方に暮れていました。
「これに合う服を買ってくれないかな」
そして１年後の同じ日に、親父はまったく同じ手袋のエメラルドグリーンをプレゼントしました。

ええええ？！なにその物忘れ！
という、親父のボケ伝説。

再婚のことを弟は知らないので、私のサンタの話に弟は一言。
「それはどうせ、親父だよ」
「いやいやいやいや！！違うから！！」
親父とは再婚してなかったので、違うんだけど、言えないこのもどかしさ。
しかし、なんて面白い切り返しをするんだ弟よ。

そして今朝、弟から一言。
「ユウキちゃん、ぼくユウキちゃんからはWiiスポーツもらいたい」
「あ、はーい」


いいなぁ、年の離れた子供っていうのは。
最近の子供は６つの財布を握っているとはいいますけど、あいにく祖父母には恵まれてない我が家なのですが、弟はそれでも家族全員の財布を握っているのでありました。


つーか、Wiiも私が払ってるんですけど・・・。
まだ買うのか。とほほ。

しかし、おこずかいをただただ貯金しているらしい弟が、家族全員にプレゼントを用意していると聞いたので、しょうがない買ってやるかぁ！(超甘い)